ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

しかし俺は、莉子のあることに気がつく。


「あれ?もしかして…莉子、泣いてた?」

「…へっ!?な…なんで!?」

「だって、なんか目が赤いような――」

「そんなわけないじゃん…!」


慌てて俺に背中を向ける、莉子。

そのわかりやすすぎる仕草に、俺は思わず笑みがこぼれた。


「そんなことよりも、…大丈夫なのっ?」

「大丈夫って、なにが?」

「腕の痙攣…。まだ痺れてるんじゃないの…?」

「ああ…ほんまやなっ。優勝したんがうれしすぎて、すっかり忘れてたっ」

「なにそれ〜…」


脳天気な俺の言葉に、莉子は呆れたようにため息をつく。


「まあでも、絶対優勝できるって自信あったし」

「…よく言うよ〜。大大大ピンチだったのに!」

「だって、これがあったから」


そう言って、俺はさっき切れたばかりのミサンガを莉子に見せた。