ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

お昼はまだ汗ばむ日もあるけど、薄着できたら寒いくらいだ。


でも、なんだか今は…それが気持ちよかったり。


――すると。


「風邪引くで」


大河の声が聞こえたと思ったら、わたしの肩に学ランが被せられた。


ブカブカでずれ下がるくらいだけど、…温かかった。


肌寒いのもいいなんて、ついさっきまで思っていたけど、大河のぬくもりが残っているこの学ランが、とても心地よく感じた。



「…莉子。さっき悠も言ってたけど、明日から学校こぉへん…?」

「うん…、そうだね。…考えておくよ」


…学校か。

もうどうでもいいやなんて考えていた。


前までは受験勉強をしなくちゃと思っていたけど、それももうなんのためにするのかわからなくなった。


東京の高校を受験したところで、お父さんとお母さんと帰れるわけじゃない。