ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

優しいお父さんも、料理上手なお母さんも、…もういない。


それが現実だとわかっていても、なかなか受け入れることはできなかった。


しかし、2人のお通夜、葬儀はしめやかに執り行われ――。

わたしの気持ちだけが置いてけぼりの状態だった。



心地よい秋風が吹く、10月の上旬。


わたしは、大好きだったお父さんとお母さんを同時に失ったのだった。



そのあと、わたしは近くに住んでいるおじいちゃんとおばあちゃん家でいっしょに暮らすことになった。

ここからなら、学校までも電車を乗ればすぐだ。


だけど、到底学校なんかに行く気にはなれない。


わたしは、お父さんとお母さんが亡くなって以来、ずっと部屋に閉じこもっていた。


――そんなある日。



「…莉子。お友達がきてくれたよ」


ドアの向こう側から、おばあちゃんの声が聞こえた。