ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

わたしの目の前には、顔に四角い白い布を被せられたお父さんとお母さんが並んで横になっていた。


わたしの隣では、泣きじゃくるおばあちゃんと、悔しそうに震える拳を握りしめるおじいちゃんの姿が。


まるで現実みたいな、よくできた夢だ。


そう思っていたのだけれど――。


握っても、握り返してくれないお父さんの手。

冷えた鉄のように冷たいお母さんの頬。


それは、とてもリアルで…。


――これは、夢なんかじゃない。

現実なのだと、嫌でも思わざるを得なかった。



…それは、一瞬の出来事だった。


わたしの学校へ向かう途中の交差点で、お父さんを乗せたお母さんが運転する車に、信号無視をした大型トラックが突っ込んできた。


すぐに2人は病院へ運ばれたけど、すでに手遅れの状態だったんだそう。