ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

「なにそれ〜…」


…心配して損したっ。


「まあでも、絶対優勝できるって自信あったし」

「…よく言うよ〜。大大大ピンチだったのに!」

「だって、これがあったから」


そう言って、大河がわたしの前に差し出した手のひらの上にあったのは、赤と黄色の紐で編み込んだミサンガだった。


これは、この夏の大会前に、野球部全員に渡すために、マネージャーのみんなで作ったものだ。

大河と悠には、わたしが作ったものを直接渡した。


『優勝できますように』


そう願いを込めて。


大河の手のひらにあるミサンガは、今ではすっかり汗や泥で汚れてしまっていた。

渡したときのきれいな色の紐とは大違いだ。


それと、そのときとは違ったところが他にもあった。


「最後の1球を投げるときに気づいてん。ミサンガが切れてることに」