総長と私の奇譚~'' まだ '' 好きじゃない~

「家出……?」

「何故そうなる」


青ざめた顔で私を引き留める桜牙をたしなめるように

「隼人の家にごはん食べに行くだけ」

と、言うと逆効果だったらしく桜牙が叫んだ。


「俺のご飯イヤか!?」

「…別に」


お父さんは残業で家になかなか帰ってこなかったし、もちろん桜牙は大学からそのまま遠方に仕事に出ていていなかった。

その上、私は料理ができないからいつも隼人の家でご飯を食べていた。

大事にはしてくれるけど、家では基本 '' 一人 '' だったから…。


「……いってきます。」


結局、寂しいを埋めてくれるのは隼人だった。