「僕は……今でもモモが好きだよ」

 ──ズキン。

 洸騎の真っ直ぐな言葉と態度に、モモは胸が何かに刺し貫かれた気がした。

 再び寄った影に、今度は下がることが出来なかった。

「答えは今貰える? それとも水曜日?」

 気迫に押されたようにモモは身をすくめて、少し落とした視界に入る洸騎の握り拳を見つめた。

 ──ちゃんと返事しなくちゃ。好きな人がいるって──なのに……。

「え、えと……水曜に、ちゃんと話す」

 後回しにしようとする弱い自分に、いい加減うんざりした。

「いいよ、分かった。でももう我慢出来ないから──」

「え?」

 視線の先の拳が開いて上がり、モモの腰に回って抱き寄せる。

 もう片方の手が、(なめ)らかな頬に伸ばされ包み込んだ。

「──モモ、キスしよう」

 ──……え!?

 上げさせられたモモの困惑停滞した瞳の中に、切なそうな洸騎の瞳が映り込んでいた──。