序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜

 椿の発言がはったりなのか真実なのか。都姫には判断がつかなかった。はったりならここで乗るのはまずい。

「俺の言葉が嘘か、嘘じゃないか……どちらなのか考えてるんだろう?」
「……!」

 図星だった。都姫は顔を覆う手をおろすと、椿を睨みつけた。こんなにも美しく文武どちらにも長けている、完璧な男性を見たことがなかった。この男を手に入れれば、ずっと埋まらない自分の喪失感を埋めることができると思っていた。

 ようやく手に入れられそうだったのに。

 まさか、この姉に奪われるなんて。椿の横で、弱々しそうに動向を見守るだけの女を八つ裂きにしてやりたい思いになる。

「俺の友人は優秀な警官でな。このままいけば、あんたを捕まえてもらうこともできる」
「……」
「けどそれは、あんたにもこの一族にも損失だろうな。なんたって都姫さんは序列一位の女性なんだから」

 妖艶な笑みを浮かべながら自分の名前を読んでくる椿に、こんな状況なのにどきりと胸が疼く。この揺さぶりはなんだ? 椿が何を言いたいのか、都姫は閉口しながら様子を見る。

「このことを表沙汰にしないで、あんたがこれからも平穏に暮らせる方法が一つある」