序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜

 告発を聞いた一族の人間たちは、一斉に都姫を振り返った。まるで割れたガラスの破片が飛び散らかるように。恐れ、嫌悪、疑心……様々な感情が、都姫へ鋭く向かっていく。

「私はそんなことはしません……! 大切な姉様に危害を加える真似なんてするわけがない」

 千代が刺される前日。都姫は縁談で藤堂家に訪れた椿と握手してしまった。これが原因で椿に計画を見破られたのだと気づいた。だが、なぜ姉と椿に接点があるのかまではさっぱりわからなかった。

 穂波は悲しげな表情で、訴えかけるように自分を見てくる都姫を見て、ぞくりと身体を震わせた。あんなに憎悪をぶつけてきたのに、よくここまでの演技ができる。

「椿様、自分の念力で視たというのは無しですよ? あなたの視る世界は、他の誰にも視ることはできないんですから」

 椿が言い返してこない様子を確認すると、手応えを感じた都姫の口元に思わず笑みが浮かびそうになる。

「あなたが私との婚約を破棄したいがためにでっちあげた、言い訳ですよね」

 都姫はそう言って顔を覆い、肩を落としてみせた。見なくても、周りの空気が自分へと同情的になっていることがわかる。

「証拠ならある」
「!?」
「穂波さんの侍女を刺した男と、嘘の供述をした男が、あんたに頼まれてやったと自供してる」