『え……』
千代は自身の脇腹から貫く刀を見て、何が起こったのかわからなかった。床に落ちて割れるガラスのコップのように、ぐしゃりと崩れてしまった。
『ほ、なみ……さま……』
意識を手放すまで、千代は穂波の身を案じ続けていた。澄人はその様子を、拳を握り締めながらじっと見下ろしている。
刺したのは澄人ではなく、澄人が同伴してきた男だった。黒い地味な作務衣を着た、白髪混じりの剛毛の小汚い男だ。これが路夜の言っていた盗人かと合点がいった。
『へへ、気前の良い雇い主だよなあ。こんな簡単な仕事であれだけの大金を寄越すなんて。いや、あんたの方が簡単か。嘘の証言をするだけだもんな』
『……』
『おいおい無視かよ。自分は違いますって言わんばかりの、すました顔しやがって』
あんたも俺も同じだよと盗人は澄人の肩に手を置いて呟くと、後は頼んだとそのまま出て行ってしまった。
千代は自身の脇腹から貫く刀を見て、何が起こったのかわからなかった。床に落ちて割れるガラスのコップのように、ぐしゃりと崩れてしまった。
『ほ、なみ……さま……』
意識を手放すまで、千代は穂波の身を案じ続けていた。澄人はその様子を、拳を握り締めながらじっと見下ろしている。
刺したのは澄人ではなく、澄人が同伴してきた男だった。黒い地味な作務衣を着た、白髪混じりの剛毛の小汚い男だ。これが路夜の言っていた盗人かと合点がいった。
『へへ、気前の良い雇い主だよなあ。こんな簡単な仕事であれだけの大金を寄越すなんて。いや、あんたの方が簡単か。嘘の証言をするだけだもんな』
『……』
『おいおい無視かよ。自分は違いますって言わんばかりの、すました顔しやがって』
あんたも俺も同じだよと盗人は澄人の肩に手を置いて呟くと、後は頼んだとそのまま出て行ってしまった。
