「椿さん……ありがとうございます。千代と澄人は、ずっと私の拠り所だったんです。でもこんなことになって……もう誰にも助けを求められないと思いました」
「……」
「留置所での夜。誰か助けてと、呼ぶ宛のない想いを繰り返してました。そうしたら、本当に椿さんが助けに来てくれた」
嬉しかったんですと呟く穂波の目尻から、涙がぽろぽろこぼれ落ちていく。どんなに家族から酷い仕打ちを受けても、澄人に裏切られた時も。泣くものかとずっと堪えてきた涙が、糸が切れたように落ちていく。
「っ、ごめんなさい……」
「泣きたい時はいくらでも泣け。笑いたい時は笑い、怒りたい時は怒ればいい。もともと穂波さんは、よく感情を表に出す人だったはずだ」
泣きじゃくる穂波を抱き締めると、あとそうだ、もっと活発でお転婆娘だった印象だ、上品な淑女になっていて驚いたと、茶化すように付け足した。
一家離散し、白洲家に引き取られた時から穂波は、口数も感情を表に出す機会も減ってしまっていた。椿の知っている穂波は、白洲穂波になる以前の彼女なのだろう。
「っ……うう、っ……怖かった……怖かったよ、椿さん……っ」
穂波の涙が止まるまで、椿はその背をとんとんと、子供をあやすように撫で続けた。
「……」
「留置所での夜。誰か助けてと、呼ぶ宛のない想いを繰り返してました。そうしたら、本当に椿さんが助けに来てくれた」
嬉しかったんですと呟く穂波の目尻から、涙がぽろぽろこぼれ落ちていく。どんなに家族から酷い仕打ちを受けても、澄人に裏切られた時も。泣くものかとずっと堪えてきた涙が、糸が切れたように落ちていく。
「っ、ごめんなさい……」
「泣きたい時はいくらでも泣け。笑いたい時は笑い、怒りたい時は怒ればいい。もともと穂波さんは、よく感情を表に出す人だったはずだ」
泣きじゃくる穂波を抱き締めると、あとそうだ、もっと活発でお転婆娘だった印象だ、上品な淑女になっていて驚いたと、茶化すように付け足した。
一家離散し、白洲家に引き取られた時から穂波は、口数も感情を表に出す機会も減ってしまっていた。椿の知っている穂波は、白洲穂波になる以前の彼女なのだろう。
「っ……うう、っ……怖かった……怖かったよ、椿さん……っ」
穂波の涙が止まるまで、椿はその背をとんとんと、子供をあやすように撫で続けた。
