序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜

 穂波はぐっしょりと、自分の身体が汗に濡れていることに気づき、一度顔を洗って風呂にでも入ろうと布団から出た。時隆の思念に飲まれ、三日間ずっと眠っていたのかもしれない。

 たらいの氷水も、千代が用意して看病してくれていたのだろうか。まず千代を見つけ、一声かけようと思った。

 穂波は部屋から出ると、千代が寝泊まりしている、侍女たち四人の共同部屋の方に向かって歩き始めた。

 しかし廊下に出て、曲がり角にさしかかった時だ。左手側に見える庭の異変に気づいた。庭の松の木と、灯籠の下に誰かが倒れている。

「千代!!」

 一目で、その姿や着ている着物を見て千代だとわかった。脇腹から血を流した千代が、真っ白な顔をしてうつ伏せで倒れていた。

 みるみる千代の周りに血の水溜まりが広がっていく光景は、時隆の死ぬ瞬間の記憶と重なった。穂波は立っていられず、膝から床に崩れ落ちた。全身の震えが止まらない。