序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜

 寒い。

 身体がかたまって、まるで石になっていくようだ。これが死なのかと考えている余裕もなく、ぷつりと穂波の意識は黒に塗りつぶされ、切れた。





「……」

 次に意識を取り戻した穂波は、自室の布団の中だった。目を覚ましてからすぐには、なぜ自分がここに居るのか? 何があったのか? 思い出せなかった。

 枕元には小さく溶けた氷と水の入った、木のたらいが置いてあり、白い綿タオルがかかっている。

 壁にかかった日めくりカレンダーに目をやると、自分が最後に記憶していた日から三日は経っていた。それから、時隆の秘書が訪ねて来たところまで思い出すと、一気に何が起きたか思い出した。

「……!」

 穂波は思わずたちのぼってくる吐き気に、口元を手で覆った。そうだ、自分は時隆が死ぬ瞬間を視たのだ。あの苦しみも、寒気も痛みも、全てを思い出した。

「誰が、時隆様を……?」

 一度刺さった短刀を、もう一度刺した。

 なんのために?