思念の中の椿も、この前出会った椿と変わらない。一見氷のように冷たい表情や、言葉を発する時もあるが、本当はとても優しい人だと穂波は思った。
椿は、探していた運命の鍵と再会できたのだろうか? そう考えたところで穂波は気づいた。
(時隆様にも話していなかった運命の鍵について、私に話してくれていたんだ)
そんな重要な話を自分にしてくれていたなんてわからなかった。言葉一つにしても、受け取る側と発する側には、時には大きな想いの差がある。
だが、この万年筆の思念の旅は……最後、穂波に強い傷を与えることになる。
ガタッと、不気味な大きな物音が聞こえた。
時隆が万年筆を握ったまま、自室に倒れ込んでいる。胸には短刀が刺さっており、みるみる畳に血が広がっていく。辛そうに息を吐き、額には汗が滲んで、今にも死んでしまいそうだ。
『……』
姿が見えない何者かが時隆に近づいてくる。時隆の思念だからか、景色がぐにゃりと曲がってしまい、霞んでよく見えない。
何者かは時隆の胸に刺さっていた短刀を抜くと、もう一度時隆を刺したのだった。
時隆の痛みや悲しみ、死に至る瞬間までも穂波は今体験している。この思念は、穂波の身体と思考の自由を奪い去った。
椿は、探していた運命の鍵と再会できたのだろうか? そう考えたところで穂波は気づいた。
(時隆様にも話していなかった運命の鍵について、私に話してくれていたんだ)
そんな重要な話を自分にしてくれていたなんてわからなかった。言葉一つにしても、受け取る側と発する側には、時には大きな想いの差がある。
だが、この万年筆の思念の旅は……最後、穂波に強い傷を与えることになる。
ガタッと、不気味な大きな物音が聞こえた。
時隆が万年筆を握ったまま、自室に倒れ込んでいる。胸には短刀が刺さっており、みるみる畳に血が広がっていく。辛そうに息を吐き、額には汗が滲んで、今にも死んでしまいそうだ。
『……』
姿が見えない何者かが時隆に近づいてくる。時隆の思念だからか、景色がぐにゃりと曲がってしまい、霞んでよく見えない。
何者かは時隆の胸に刺さっていた短刀を抜くと、もう一度時隆を刺したのだった。
時隆の痛みや悲しみ、死に至る瞬間までも穂波は今体験している。この思念は、穂波の身体と思考の自由を奪い去った。
