序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜

 最近は蓮華も、穂波に突っかかってきたり、仕事を押しつけることが少なくなってきた。

 白洲家よりも格上である他の家の人間たちが、毎日穂波を頼りにやって来るのだから。嫌がらせをする隙もなければ、穂波に危害を加えることは白洲家にとっても不利益だった。

(このまま頑張って、みんなから認められたら……白洲家から出ることもできるのかな)

 澄人が言ってくれた屋敷から連れ出してくれるという言葉を、叶えることができるかもしれない。そんな日が来たら良いなと、穂波は目を背けていた自分の想いと向き合い始めていた。






「穂波殿。今回、あなたに読み取っていただきたいのは、この時隆殿の万年筆なのです」

 念力を使って依頼を引き受けるようになってからこの日が一番、穂波は緊張していた。今日やって来た依頼者が、あの時隆の秘書だったからだ。

「……拝見します」

 時隆の秘書は、白い顎髭をさすりながら穂波の様子をじっと見つめる。見つめる表情と裏腹に、かたかたと小刻みに足踏みしている。なんでこんな奴に自分が頼まねばならんのだと言わんばかりの、一刻も早く帰りたいという思いが嫌でも伝わってくる。