それからまた一週間は、穂波への依頼の訪問が続いた。千代が来客を調整するようになったおかげで、なんとか負担にならない範囲で対応できたのだった。

「穂波さん、千代から聞いたよ! 色んな人から頼られてるって。なんだか最近の穂波さん、きらきらしてるっつうか、眩しく見えるよ」
「ありがとう、澄人。澄人がいつも話を聞いてくれたり、励ましてくれたから、この家でも頑張ってこれたの。ちょっとは変われたかな」

 最近は来客対応に追われ、澄人とゆっくり話す時間もなかなか無かった。久しぶりに会うとやはり落ち着くなあと、穂波は澄人の笑顔を見てあたたかい気持ちになった。

「変わってるよ。初めて会った頃の穂波さんは大きな傷つくって、棒みたいに痩せちまっててさ。表情も暗かったから、見てて胸が苦しくなった。やっぱ穂波さんには笑顔が似合ってる」

 くしゃくしゃと澄人の大きな手で髪を撫でられ、穂波は頬を赤く染めた。

 澄人のその大きな手が穂波は好きだった。

 初めて会った日も、穂波の傷を見て驚いた澄人は、大丈夫か?と思わず穂波の腕を掴んで引き留めてくれた。その手に救われたのだ。