序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜

 都姫が変えた空気のまま、その後の話し合いは揉めることなく円滑に終わった。時隆を殺した犯人を見つける、一同の目的が一つになった。

 穂波は、当主決めのことは関係なく、時隆がなぜ、誰に殺されたのかは知りたいと思った。

 本当は勝手に人の思念を読み取るのは、控えるようにしている。覗き見するようで気が引けるからだ。だが今日もこの力を使って、少しは時隆の考えに近づけた。

(また、時隆様に関連する物があったら触れてみよう)

 穂波は心の中で小さくそう決意した。

「あ……」

 藤堂の屋敷からの帰り道。もちろん、蓮華たちとは別行動で、一人で帰ろうとしていた。人気のない道に入った時。目の前に、都姫が現れた。

「都姫」

 会が終わった後、藤堂本家の人間たちに、都姫は早々連れてかれてしまった。直接話しかけられず、助けてくれた礼も言えないまま屋敷を後にしたのだが……。

 なぜここに現れたのだろうかと、穂波は警戒して彼女を見た。

「気安く私の名前を呼ばないでくれる?」

 強い語気で言い放たれる拒絶の言葉に、穂波の喉がひゅっと冷たく音を立てた。