遅れて澄人は椿の存在に気付いたらしく、普段とは違い、借りてきた猫のような状態になってしまった。
ぴしりと身体をこわばらせ、少し警戒した様子で椿を見ている。なぜ穂波と、こんな町中でも見かけたことのない美丈夫が共に歩いているのか。気になっているのだろう。
「こちらは六条椿さん。氷宮家の分家である六条家の方で、藤堂の家系に挨拶回りをされていて……せっかくお越しいただいたので、私が町の案内をしていたの」
穂波の紹介を最後まで聞くと、澄人はわかりやすいぐらいにほっとした笑顔を浮かべてみせた。椿はその様子を見て、澄人が穂波に抱く気持ちにすぐさま勘づいた。
「そいつはようこそ、辺鄙で何もねえ町ですが」
椿は、澄人の言葉に対し、いや、と首を横に振った。
「そんなことはない。自然豊かで、空気の気持ち良い町だ。土手の方にあった桜並木も立派だったな。見頃であるこの時期に来て良かった」
「お、川沿いの方も行ってくださったんですね! じゃあ、あちらの方には行きましたか?」
町を褒める言葉も聞きすっかり警戒を解いた澄人は、町の名所やおすすめの穴場について、普段の明朗快活な様子で話し始めた。
ぴしりと身体をこわばらせ、少し警戒した様子で椿を見ている。なぜ穂波と、こんな町中でも見かけたことのない美丈夫が共に歩いているのか。気になっているのだろう。
「こちらは六条椿さん。氷宮家の分家である六条家の方で、藤堂の家系に挨拶回りをされていて……せっかくお越しいただいたので、私が町の案内をしていたの」
穂波の紹介を最後まで聞くと、澄人はわかりやすいぐらいにほっとした笑顔を浮かべてみせた。椿はその様子を見て、澄人が穂波に抱く気持ちにすぐさま勘づいた。
「そいつはようこそ、辺鄙で何もねえ町ですが」
椿は、澄人の言葉に対し、いや、と首を横に振った。
「そんなことはない。自然豊かで、空気の気持ち良い町だ。土手の方にあった桜並木も立派だったな。見頃であるこの時期に来て良かった」
「お、川沿いの方も行ってくださったんですね! じゃあ、あちらの方には行きましたか?」
町を褒める言葉も聞きすっかり警戒を解いた澄人は、町の名所やおすすめの穴場について、普段の明朗快活な様子で話し始めた。
