それから、思念の時は飛ぶ。季節は何度か巡り、時隆と八潮が離れることになってから三年ほど経った時代へと場面は移る。そこで穂波が視たのは、思いも寄らぬ人物だった。
『あなたが、時隆さんですか?』
『君は……』
時隆に声をかけた女性の姿に、穂波は驚いた。彼女が、穂波のよく知る人物だったからだ。
『私は藤堂咲子。八潮様の妾の一人です』
彼女……藤堂咲子は、穂波と都姫の母だった。黒い短く切り揃えられた髪に、歳の割には幼い目鼻立ち。穂波のよく知っている母の姿と変わらない。
『あなたに伝えたいことがあって、探しておりました』
『俺に?』
『はい。私……ちょっと人の気持ちに敏感な念力を持ってまして……八潮様の気持ちを知ってしまったのです』
咲子の念力は、もちろん娘である穂波はよく知っている。一族の中でも高く評価されている力だ。だから八潮の妾の一人にも選ばれたのだろう。
『知っている。君のことも、その念力も。記憶を読んだり書き換えることができると聞いた』
『あなたが、時隆さんですか?』
『君は……』
時隆に声をかけた女性の姿に、穂波は驚いた。彼女が、穂波のよく知る人物だったからだ。
『私は藤堂咲子。八潮様の妾の一人です』
彼女……藤堂咲子は、穂波と都姫の母だった。黒い短く切り揃えられた髪に、歳の割には幼い目鼻立ち。穂波のよく知っている母の姿と変わらない。
『あなたに伝えたいことがあって、探しておりました』
『俺に?』
『はい。私……ちょっと人の気持ちに敏感な念力を持ってまして……八潮様の気持ちを知ってしまったのです』
咲子の念力は、もちろん娘である穂波はよく知っている。一族の中でも高く評価されている力だ。だから八潮の妾の一人にも選ばれたのだろう。
『知っている。君のことも、その念力も。記憶を読んだり書き換えることができると聞いた』
