穂波は俯かせていた顔をさっとあげ、椿を見つめた。ずっと非力だと認められてこなかった自分の力を、椿は魅力的だと言ったのだ。他者に自分の力を褒められることは、穂波にとって初めてのことだった。
「は、はあ!? 私たちの念力より穂波の方が魅力的だなんて……六条様、あなた、どうかしているわ!」
「……」
冬緒は蓮華と違い、言葉こそ紡がないが苛立った様子だ。騒ぐ蓮華に目もくれず、椿は、穂波さんと声をかけた。
「この後、時間はあるか? この町には初めて来たんだ。良ければ、散歩がてらに案内してほしい」
「穂波にはうちの仕事を任せてるんです! この後もやることは多いんですから、勝手に連れ出されては困ります!」
穂波の前に立ち、椿に反論する蓮華に対し、部屋の隅で黙って様子を見ていた千代が口を開いた。
「は、はあ!? 私たちの念力より穂波の方が魅力的だなんて……六条様、あなた、どうかしているわ!」
「……」
冬緒は蓮華と違い、言葉こそ紡がないが苛立った様子だ。騒ぐ蓮華に目もくれず、椿は、穂波さんと声をかけた。
「この後、時間はあるか? この町には初めて来たんだ。良ければ、散歩がてらに案内してほしい」
「穂波にはうちの仕事を任せてるんです! この後もやることは多いんですから、勝手に連れ出されては困ります!」
穂波の前に立ち、椿に反論する蓮華に対し、部屋の隅で黙って様子を見ていた千代が口を開いた。
