藤堂本家の門扉は、時隆が八潮と初めて顔を合わした場所であった。あの日は雨が降っていたが、今は重たい雪が降り続けている。
八潮に呼び出された時間は十六時だったが、もう陽は落ちかけていた。灯籠の光だけが、すっかりと雪が積もった門扉の周りを照らしている。
『時隆』
門扉の前で、八潮は寒そうに白い息を吐きながら立っていた。時隆を見つけるや否や、わかりやすいぐらい嬉しそうに笑う。時隆もその表情を見て、安心したように口元を緩めた。
『誕生日おめでとう。悪いな、わざわざ呼び出して』
『いえ……ここに呼び出されたのは、何か特別な理由があるのでしょうか?』
時隆の問いかけに、八潮はゆっくりと頷いた。
『俺と時隆は、ここで初めて言葉を交わしただろう』
八潮は背後に回していた手を差し出した。その手には、花束と小さな箱が握られていた。時隆は驚いたように目を見開くと、八潮の顔を見上げた。花束と一緒に箱を受け取り、その場で開くと、そこには銀の指輪が入っていた。
『これは……』
『自分でも驚いている……生まれて初めて、男性を好きになった。いや、男性だとか女性だとか関係ないか……時隆、お前に、ずっと俺の傍に居てほしいのだ。お前ほど、美しい者を、俺はきっと後にも先にも、他に知らん』
八潮に呼び出された時間は十六時だったが、もう陽は落ちかけていた。灯籠の光だけが、すっかりと雪が積もった門扉の周りを照らしている。
『時隆』
門扉の前で、八潮は寒そうに白い息を吐きながら立っていた。時隆を見つけるや否や、わかりやすいぐらい嬉しそうに笑う。時隆もその表情を見て、安心したように口元を緩めた。
『誕生日おめでとう。悪いな、わざわざ呼び出して』
『いえ……ここに呼び出されたのは、何か特別な理由があるのでしょうか?』
時隆の問いかけに、八潮はゆっくりと頷いた。
『俺と時隆は、ここで初めて言葉を交わしただろう』
八潮は背後に回していた手を差し出した。その手には、花束と小さな箱が握られていた。時隆は驚いたように目を見開くと、八潮の顔を見上げた。花束と一緒に箱を受け取り、その場で開くと、そこには銀の指輪が入っていた。
『これは……』
『自分でも驚いている……生まれて初めて、男性を好きになった。いや、男性だとか女性だとか関係ないか……時隆、お前に、ずっと俺の傍に居てほしいのだ。お前ほど、美しい者を、俺はきっと後にも先にも、他に知らん』
