序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜

「そう怒らないでやれよ、涼葉嬢。正しくは声をかける余裕すらなかった、だ。真っ青な顔して周りに目も留めず、飛び出してったんだ」

 言い返す言葉もなく、椿は悪かったと顔を斜めに俯かせた。

「最近、椿らしくないことばっかり。どんだけ穂波さんのことになると全力になっちゃうわけ?」
「……」
「……ま、そんな椿も、悪くないんだけどね」
「涼葉……」
「私も穂波さんを助けたい。手伝わせてよ」

 路夜は少し意外そうに涼葉を見た。あの涼葉が、椿の為ではなく、穂波を助けたいという思いで協力するとは。椿大好きな永遠の妹分に気に入られるとは、あの婚約者もやるもんだと思わず笑みが漏れる。涼葉は自分を見て笑っている路夜に気づき、むっとした様子で睨むのだった。

「ありがとう、お前の力を貸してくれ」
「! もちろん」

 涼葉は嬉しそうに大きく頷いた。一刻を争う状況だが、涼葉が来てくれたことで、良い意味で椿たちの緊張感は解れた。

「未来の路夜からの伝言だ、王室に向かうぞ」
「はいよ」
「了解っ!」
「承知しました」

 帝都の中央広場を抜けた先にある、王室が住まう宮廷へと椿は足先を向けた。必ず、穂波を救い出すための未来を見つけ出す。