もしも怜が何かしらの念力を持っていたら。時隆なら使い慣れていない念力でもうまく活用し、その場を切り抜けられるだろう。
複数の念力を操れるというのは、言葉だけ見れば魅力的だが並大抵のことではない。時隆ほどの才がなければ、使いこなせない念力だ。だからこそ椿は、怜が何らかの念力を持っていることに期待したが……まだ発現前だったようだ。
「ちょっと! 椿!」
「!?」
声を聞いた瞬間に誰だかわかる。椿は恐る恐る、自分の名を呼ぶ声の方へ振り返った。
「涼葉」
「はぁはぁ……やっと追いついた……」
息を切らしながら両膝に手をついた涼葉が立っていた。口ぶりからするに、氷宮の屋敷から椿たちを追って来たらしい。
「穂波さんが拐われたって聞いた。なんで私に声かけないわけ?」
「一刻を争う事態なんだ。数を集めれば良いという話でないと思った」
数を集めることでの利点もあるが、敵に動きがばれやすくなる危険や、一人一人への指示出しの難易度が上がる可能性もある。何より今回は……時間が限られている。
数を動かせばそれ相応の時間がかかる為、椿は最低限の人員で穂波を助けると決めたのだ。路夜も花森も、ついて来てくれると確信していた。
複数の念力を操れるというのは、言葉だけ見れば魅力的だが並大抵のことではない。時隆ほどの才がなければ、使いこなせない念力だ。だからこそ椿は、怜が何らかの念力を持っていることに期待したが……まだ発現前だったようだ。
「ちょっと! 椿!」
「!?」
声を聞いた瞬間に誰だかわかる。椿は恐る恐る、自分の名を呼ぶ声の方へ振り返った。
「涼葉」
「はぁはぁ……やっと追いついた……」
息を切らしながら両膝に手をついた涼葉が立っていた。口ぶりからするに、氷宮の屋敷から椿たちを追って来たらしい。
「穂波さんが拐われたって聞いた。なんで私に声かけないわけ?」
「一刻を争う事態なんだ。数を集めれば良いという話でないと思った」
数を集めることでの利点もあるが、敵に動きがばれやすくなる危険や、一人一人への指示出しの難易度が上がる可能性もある。何より今回は……時間が限られている。
数を動かせばそれ相応の時間がかかる為、椿は最低限の人員で穂波を助けると決めたのだ。路夜も花森も、ついて来てくれると確信していた。
