「今、椿の元に居るんだろう?」
驚いたが、なぜ知っているのかとは問わなかった。この男に対してはそんなこと愚問だからだ。どうせ数多の念力の引き出しから、何かしら使って突き止めたのだ。
「妹が人殺しとなれば、あいつと一緒に居られなくなるかもしれない」
「椿さんと……一緒に居られなくなる……?」
「当然だ。元当主を殺した人間なんて、除籍処分になることは確実。近縁の者も同罪だ」
天気の話でもするかのように淡々と話してくる。時隆が何を考えているのか全くわからない。
わからないが……椿と一緒に居られなくなる。その言葉が、穂波の中で何度も響き渡る。目の前が暗く閉ざされ、息苦しくなるような……閉塞感が込み上げてくる。
(椿さん……)
初めて会った時は、自分とはかけ離れた存在だと思っていた。
次に会った時は絶望の底から助けてくれて、氷宮家の当主だとわかり……自分とは別世界の人間だと何度も思った。それなのに自分を引き寄せてくれて、好きだと想いを伝えてくれた。新しい居場所と家族をくれた。
たくさんのものをもらってきたのに、何も返せてない。
あっという間に椿は、穂波の世界の大部分を占める、かけがえのない存在になっていた。
まともな恋愛なんてしたことがない。人に恋する気持ちも愛する気持ちもわからない。でも、椿と離れたくないと……今、心から強く思った。
驚いたが、なぜ知っているのかとは問わなかった。この男に対してはそんなこと愚問だからだ。どうせ数多の念力の引き出しから、何かしら使って突き止めたのだ。
「妹が人殺しとなれば、あいつと一緒に居られなくなるかもしれない」
「椿さんと……一緒に居られなくなる……?」
「当然だ。元当主を殺した人間なんて、除籍処分になることは確実。近縁の者も同罪だ」
天気の話でもするかのように淡々と話してくる。時隆が何を考えているのか全くわからない。
わからないが……椿と一緒に居られなくなる。その言葉が、穂波の中で何度も響き渡る。目の前が暗く閉ざされ、息苦しくなるような……閉塞感が込み上げてくる。
(椿さん……)
初めて会った時は、自分とはかけ離れた存在だと思っていた。
次に会った時は絶望の底から助けてくれて、氷宮家の当主だとわかり……自分とは別世界の人間だと何度も思った。それなのに自分を引き寄せてくれて、好きだと想いを伝えてくれた。新しい居場所と家族をくれた。
たくさんのものをもらってきたのに、何も返せてない。
あっという間に椿は、穂波の世界の大部分を占める、かけがえのない存在になっていた。
まともな恋愛なんてしたことがない。人に恋する気持ちも愛する気持ちもわからない。でも、椿と離れたくないと……今、心から強く思った。
