もうばれちゃったかあと、眉と目尻を下げて困ったように笑う。その表情は別人の姿をしていても、穂波がよく知っている時隆だった。
「亡くなったんじゃ……そのお姿は」
「死んだよ。藤堂時隆はもう居ない。でも藤堂家の皆ならよく知ってるだろ? 俺の念力を」
時隆が、前当主から直接当主に指名されたのには理由がある。それは藤堂家の人間たちの中でも……否、三大名家を見渡しても。彼が最上位格の念力を持っているからだ。
「他人の念力を、写す力……」
「うん。一度写したことのある念力なら全て使える。複数の念力を同時に使用することはできないけどね」
前回の当主選考は、これまでの藤堂一族では異例の、選考なしで当主が決まった。前当主の指名により時隆が当主になったからだ。しかし誰もその念力の強大さ故に、異を唱えることはできなかった。
「死ぬ間際、俺が何の念力を使えるようにしていたか……議論もしていないのかな。本当にこの一族のみんなは冷たいという、周りに関心がないね」
「……他人となり変われる念力、なのでしょうか」
「そうだね。正確には、憑依の念力。俺は事故に遭って昏睡状態だった鷹泉怜に目をつけ……死ぬ直前、彼に憑依したんだ」
「鷹泉……!」
「亡くなったんじゃ……そのお姿は」
「死んだよ。藤堂時隆はもう居ない。でも藤堂家の皆ならよく知ってるだろ? 俺の念力を」
時隆が、前当主から直接当主に指名されたのには理由がある。それは藤堂家の人間たちの中でも……否、三大名家を見渡しても。彼が最上位格の念力を持っているからだ。
「他人の念力を、写す力……」
「うん。一度写したことのある念力なら全て使える。複数の念力を同時に使用することはできないけどね」
前回の当主選考は、これまでの藤堂一族では異例の、選考なしで当主が決まった。前当主の指名により時隆が当主になったからだ。しかし誰もその念力の強大さ故に、異を唱えることはできなかった。
「死ぬ間際、俺が何の念力を使えるようにしていたか……議論もしていないのかな。本当にこの一族のみんなは冷たいという、周りに関心がないね」
「……他人となり変われる念力、なのでしょうか」
「そうだね。正確には、憑依の念力。俺は事故に遭って昏睡状態だった鷹泉怜に目をつけ……死ぬ直前、彼に憑依したんだ」
「鷹泉……!」
