(なんで、この景色が)
忘れるわけがない。これは前に一度視た、時隆が死ぬ瞬間の光景だ。
「……」
苦痛に顔を歪める時隆の上に、何者かの影が覆いかぶさる。刺された短刀が抜かれ、もう一度振り上げられる。
それから景色は前と同じように黒く塗り潰され、消える……はずだった。
『怜! あ、あああ……』
『……』
黒ではない。真っ白な天井と壁に覆われた病室が現れた。
先程見かけた怜の母親と医者が、ベッドの脇に立っている。母親は手で顔を覆いながら嗚咽していた。
『奇跡だ……目を覚ますなんて……』
思念が消え、穂波の意識は目の前の怜へと戻る。
「時隆様……?」
「……」
この思念からわかるのは、目の前の少年が、あの藤堂時隆だという事実だけだった。
別視点からの思念だったら話が違っていた。この怜という少年から読み取れた思念は……万年筆に残った時隆の思念と、視点も何もかもが同じだった。
それは、時隆と怜が同じ場所から同じ光景を見ていた、同一人物だということを証明するより他ならない。
「やっぱり最初に俺を見つけるのは君なんだね、穂波」
忘れるわけがない。これは前に一度視た、時隆が死ぬ瞬間の光景だ。
「……」
苦痛に顔を歪める時隆の上に、何者かの影が覆いかぶさる。刺された短刀が抜かれ、もう一度振り上げられる。
それから景色は前と同じように黒く塗り潰され、消える……はずだった。
『怜! あ、あああ……』
『……』
黒ではない。真っ白な天井と壁に覆われた病室が現れた。
先程見かけた怜の母親と医者が、ベッドの脇に立っている。母親は手で顔を覆いながら嗚咽していた。
『奇跡だ……目を覚ますなんて……』
思念が消え、穂波の意識は目の前の怜へと戻る。
「時隆様……?」
「……」
この思念からわかるのは、目の前の少年が、あの藤堂時隆だという事実だけだった。
別視点からの思念だったら話が違っていた。この怜という少年から読み取れた思念は……万年筆に残った時隆の思念と、視点も何もかもが同じだった。
それは、時隆と怜が同じ場所から同じ光景を見ていた、同一人物だということを証明するより他ならない。
「やっぱり最初に俺を見つけるのは君なんだね、穂波」
