穂波も続いていこうかと思ったが、なぜかあの怜と呼ばれた少年が気になった。
二階へと階段に向かう前に、何となくもう一度彼の方を振り返る。
「うおっ、危ねえな」
振り返ってすぐに、がたんと松葉杖が床に落ちる音がした。
病院の扉から出て行こうとしていた怜は、外から入ってきた男とぶつかり、松葉杖を落としてしまっていたのだ。
「すみません」
なんとか屈んで杖を取ろうとする怜を見て、穂波は駆け寄った。花森たちは穂波に気づかず上の階へと向かって行く。
「大丈夫ですか?」
「……! 触るな!」
松葉杖を取って、渡そうとした瞬間。怜の手に少し触れた指先から、信じられない光景が流れてきた。彼からの拒絶に対して、反応する隙もなかった。
穂波は、この光景を一度見たことがある。
時隆が万年筆を握ったまま、自室に倒れ込んでいる光景だった。胸に刺さった短刀、畳に広がる血。
二階へと階段に向かう前に、何となくもう一度彼の方を振り返る。
「うおっ、危ねえな」
振り返ってすぐに、がたんと松葉杖が床に落ちる音がした。
病院の扉から出て行こうとしていた怜は、外から入ってきた男とぶつかり、松葉杖を落としてしまっていたのだ。
「すみません」
なんとか屈んで杖を取ろうとする怜を見て、穂波は駆け寄った。花森たちは穂波に気づかず上の階へと向かって行く。
「大丈夫ですか?」
「……! 触るな!」
松葉杖を取って、渡そうとした瞬間。怜の手に少し触れた指先から、信じられない光景が流れてきた。彼からの拒絶に対して、反応する隙もなかった。
穂波は、この光景を一度見たことがある。
時隆が万年筆を握ったまま、自室に倒れ込んでいる光景だった。胸に刺さった短刀、畳に広がる血。
