「やっとおうちに帰れるね、怜」
「うん」
怜と呼ばれた松葉杖をついた銀髪の少年は、雪のような白い肌をして、年頃の男子であるとは思えないぐらい痩せ細っていた。
その姿は穂波に、白洲家の母である君枝を思い出させた。君枝も枯れ木のように細い老婆だったが、彼も同じだった。
とても健康的には見えないが、異国の人形のような容姿をしており、彼もまた椿同様、浮世離れした美しさを持ち合わせていた。
話を聞く限り、ようやく退院して家に帰れるところなのだろうか? 花森がさっき話していた、長い昏睡状態から目覚めた少年というのは、ちょうど目前に居る彼のことなのかもしれない。
「お会計してくるから待ってて頂戴」
「わかった。ありがとう、お母さん」
「いーえ。怜ったら、意識が戻ってからすっかり謙虚になって。当分はわがまま聞いてあげるから、もっと前みたいに振る舞って良いのよ」
意識が戻ったと言っているからには、やはり彼が噂の少年なのか? かつかつと松葉杖をつきながら少年がこちらに向かってくる。
「……」
穂波と目が合うと、怜という少年は一瞬だけ息を止め、すぐにまた目を逸らした。入り口に向かって、ゆっくりゆっくりと歩いていく。
「依頼人、上の部屋を空けてもらえるそうです。椎菜さんを運びましょう」
病院に話を通してきた花森が戻ってきた。依頼人と涼葉も花森に続いて、上の階へ向かおうとしている。
「うん」
怜と呼ばれた松葉杖をついた銀髪の少年は、雪のような白い肌をして、年頃の男子であるとは思えないぐらい痩せ細っていた。
その姿は穂波に、白洲家の母である君枝を思い出させた。君枝も枯れ木のように細い老婆だったが、彼も同じだった。
とても健康的には見えないが、異国の人形のような容姿をしており、彼もまた椿同様、浮世離れした美しさを持ち合わせていた。
話を聞く限り、ようやく退院して家に帰れるところなのだろうか? 花森がさっき話していた、長い昏睡状態から目覚めた少年というのは、ちょうど目前に居る彼のことなのかもしれない。
「お会計してくるから待ってて頂戴」
「わかった。ありがとう、お母さん」
「いーえ。怜ったら、意識が戻ってからすっかり謙虚になって。当分はわがまま聞いてあげるから、もっと前みたいに振る舞って良いのよ」
意識が戻ったと言っているからには、やはり彼が噂の少年なのか? かつかつと松葉杖をつきながら少年がこちらに向かってくる。
「……」
穂波と目が合うと、怜という少年は一瞬だけ息を止め、すぐにまた目を逸らした。入り口に向かって、ゆっくりゆっくりと歩いていく。
「依頼人、上の部屋を空けてもらえるそうです。椎菜さんを運びましょう」
病院に話を通してきた花森が戻ってきた。依頼人と涼葉も花森に続いて、上の階へ向かおうとしている。
