「後始末まで含めてこその依頼だからね。でもって偉くなればなるほど、後始末担当」
涼葉はこそっと穂波の耳元で、椿に聞かれないようそう言った。
「な、なるほど」
「おい。穂波さんに何を耳打ちした」
別にーと、椿から逃げるように、涼葉は穂波の手を取って走り出した。
「涼葉!」
引き止めてさらに叱ろうかとも思ったが、まあ、少しでも穂波に気を許してくれたのなら良いかと、椿は肩の力を緩めた。
「椿さん! また後で……どうか、お気をつけて!」
涼葉に引っ張られながら、穂波は椿の方を向いて声をかけた。もしかしたらまた敵が戻ってくる可能性もある。きっと椿なら大丈夫だろうが心配だった。
「! 穂波さんも、気をつけて。また後で会おう」
ちょっと穂波に心配されただけで、あんなに嬉しそうな顔をしてと、涼葉は悪態をつきたかったが。ついこの前よりも、穂波のことを好いている椿のことが嫌じゃなくなった。
どこの馬の骨なんだと、穂波を初めてみた時、涼葉は黒い靄に覆われるような気持ちになった。
努力して当主にまでなった椿には、相応の女性と籍を入れてほしいと思っていた。当主になろうと、その身や、立場が安全なわけではない。むしろ当主の座は追われるものだ。彼を守れるぐらいの女性でいてほしかったのだ。
(思っていたより強いところあるし)
昔、椿を救ったという話も本当なのだろう。またこの先何かあっても。彼女ならまた椿を助けてくれるかもしれないと。今日、少しだけ信じることができた。
涼葉はこそっと穂波の耳元で、椿に聞かれないようそう言った。
「な、なるほど」
「おい。穂波さんに何を耳打ちした」
別にーと、椿から逃げるように、涼葉は穂波の手を取って走り出した。
「涼葉!」
引き止めてさらに叱ろうかとも思ったが、まあ、少しでも穂波に気を許してくれたのなら良いかと、椿は肩の力を緩めた。
「椿さん! また後で……どうか、お気をつけて!」
涼葉に引っ張られながら、穂波は椿の方を向いて声をかけた。もしかしたらまた敵が戻ってくる可能性もある。きっと椿なら大丈夫だろうが心配だった。
「! 穂波さんも、気をつけて。また後で会おう」
ちょっと穂波に心配されただけで、あんなに嬉しそうな顔をしてと、涼葉は悪態をつきたかったが。ついこの前よりも、穂波のことを好いている椿のことが嫌じゃなくなった。
どこの馬の骨なんだと、穂波を初めてみた時、涼葉は黒い靄に覆われるような気持ちになった。
努力して当主にまでなった椿には、相応の女性と籍を入れてほしいと思っていた。当主になろうと、その身や、立場が安全なわけではない。むしろ当主の座は追われるものだ。彼を守れるぐらいの女性でいてほしかったのだ。
(思っていたより強いところあるし)
昔、椿を救ったという話も本当なのだろう。またこの先何かあっても。彼女ならまた椿を助けてくれるかもしれないと。今日、少しだけ信じることができた。
