序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜

「は、花森さんがまだ……!」

 花森以外の全員が倉庫の外に出れたが、未だに花森は敵を捕らえようと中に残っていた。慌てふためく穂波と依頼人と相反して、椿と涼葉は冷静な様子で倉庫を見ていた。

 それからすぐに、腹の底から迫り上がってくる地鳴りのような爆音がすると、倉庫が炎に包まれたのだった。石や木の破片が、爆風と共に穂波の頬を掠めた。

 まだ花森が中に居たのに……穂波の目の奥から、熱い涙がじわりと溢れ出てくる。

「うわっ……本当に爆発したんだけど……」

 涼葉はここまでやる?と眉を寄せて、燃えている倉庫を見上げた。

「有事のための仕掛けじゃない。ここに来た者を確実に殺す目的もあったんだろう」
「そうですね。私も同感でございます」
「……………………え、えええええ!?」

 涼しい顔をした花森が、いつものように穂波と椿の背後に立っていた。さっき皆に倉庫から出るように叫んだ時と同じぐらい、大きな声が出た。

「申し訳ございません。なんとか捕まえようとしたのですが、念力を使って逃げられました」

 頬についた煤を拭いながら、花森は首を横に振った。あの爆発の中、まだ倉庫の奥に居たはずなのに。どうして傷一つなく生きているのだろう?

「花森さんって、何かの念力を使えるんですか?」