序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜

「うわ、久しぶりに見たけどやっぱ怖……」

 涼葉も花森の様子を見ながら、額に汗を浮かべている。

「椎菜!」

 中央の柱に縛られている椎菜を見て、依頼人はたまらず声をあげた。彼女の名前を呼ぶ、悲痛な声が倉庫内に響き渡る。

「太一さん……」

 意識が朦朧とした様子の椎菜が、依頼人の名前を呼ぶ。衰弱しているが息はあるようだ。

「我々の邪魔をするな、氷宮!」

 空間転移の念力を持つ、思念に出てきた男が椿に向かってきた。男もまた、拳銃を出すと椿に向かって容赦なく撃ち放っていく。涼葉がさっと穂波と依頼人の前に出る。

 思わず穂波は目を覆いたくなったが、目を覆うよりも椿の動きの方が速かった。腰の鞘から刀を抜き取ると、男が撃ち放った銃弾がさらりと空に消えた。

「え……」

 穂波には何が起きたのかわからなかった。手品のように銃弾が空に消えてしまったのだから。

「椿は念力だけで当主にまで成り上がったんじゃない、剣道の達人なんだ」

 涼葉の言葉で、穂波は椿が銃弾を居合いで斬ったのだとようやく理解した。