序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜

 花森は随分と昔から、椿や勇たちに仕えているのだろうか。三十代の男性かと思っていたが、かなり前の話も知っている口ぶりだ。実はもっと年上なのか?

 けれど話を聞いてみて、それは良いと穂波は思った。氷宮の人間をもっと知りたいし、仲良くなりたい。一族の一員に、椿の婚約者だと胸を張って言えるようになりたい。

「私も、椿さんのことをお手伝いできますでしょうか?」
「穂波さん……できるし、その気持ちだけで嬉しい。だが……悩ましくもある。あんたを危険な目に遭わせたくないんだ」
「それこそ椿様が当主であり、未来の旦那様なんですからしっかりお守りすれば良いのでは」
「それはそうだが」

 いつも他人に厳しすぎるお前が、過保護だなあと勇は珍しそうにしている。

「わかった。俺が、穂波さんに良い機会をつくるよ。氷宮家の窓口役の腕が鳴るな!」

 わははと豪快に笑う勇を見ながら、椿は頭が痛そうな顔をしている。つまり勇は、穂波の手伝える良い仕事を用意すると言いたいのだろう。

「ありがとうございます! 私、頑張ります!」

 こうして穂波が、氷宮一族の一員として、椿の婚約者として認めてもらう……否、胸を張って言えるようになるまでの日々が始まったのだった。