「兄様、いいの? 最後にあのじゃりんこ女と話さなくて」
蓮華は自室に帰る途中。縁側で物憂げに座っていた冬緒に声をかけた。珍しくぼんやりした様子で、ほとんど花が散ってしまった、葉桜に変わり始めた木を眺めている。
「話すことなどないだろう?」
「最後までその態度を貫くんだ。元はと言えばあいつを嫌いになったのは、兄様のせいでもあるんだからね? 歳の離れた義理の妹に一目惚れしやがって。本当にむかついたし、引いたわ」
「なっ……! 蓮華!!」
いつも無表情で物静かな冬緒が、目を見開いて大声をあげている。蓮華は楽しくなってしまい、いたずらげに笑うと、たまには一緒に飲む? お酒持ってきて良い?と冬緒に尋ねた。
ずっと気づいていたが、触れないようにしてきた話だ。穂波が出て行くことになった今、もう良いだろうとようやく切り出した。
「冷たい態度とってるけどばればれだっての。結局、あんな大物に奪われちゃってさ。あー、可哀想な兄様」
「……」
蓮華は自室に帰る途中。縁側で物憂げに座っていた冬緒に声をかけた。珍しくぼんやりした様子で、ほとんど花が散ってしまった、葉桜に変わり始めた木を眺めている。
「話すことなどないだろう?」
「最後までその態度を貫くんだ。元はと言えばあいつを嫌いになったのは、兄様のせいでもあるんだからね? 歳の離れた義理の妹に一目惚れしやがって。本当にむかついたし、引いたわ」
「なっ……! 蓮華!!」
いつも無表情で物静かな冬緒が、目を見開いて大声をあげている。蓮華は楽しくなってしまい、いたずらげに笑うと、たまには一緒に飲む? お酒持ってきて良い?と冬緒に尋ねた。
ずっと気づいていたが、触れないようにしてきた話だ。穂波が出て行くことになった今、もう良いだろうとようやく切り出した。
「冷たい態度とってるけどばればれだっての。結局、あんな大物に奪われちゃってさ。あー、可哀想な兄様」
「……」
