「穂波。お母様にも聞いたけど、あんた……本当にこの家を出て行くわけ?」
「……はい」
腕を胸元で組んで、廊下の柱にもたれかかりながら蓮華は不機嫌そうに聞いてきた。
「あんたのこと、あたしずっと嫌いだったのよね」
「それは……よく知ってます」
唐突な蓮華の告白に、今更何を言い出すのか。知らないわけがないじゃないかと、穂波は思わず苦笑してしまった。
「あんたがあたしよりも、若くて綺麗だからひがんでたのは最後に認めてやるわ。でも一番嫌いだったのはその性格よ」
蓮華は穂波を人差し指で指差した。
「へらへらした作り笑い。健気ぶってるように見えてむかついたし……何より、怖かったのよ」
「!」
穂波のことを、蓮華が怖いと思っていたなんて。蓮華こそ穂波の恐怖の対象だっただけに意外な答えを耳にし、穂波の表情に戸惑いの色が浮かぶ。
「母親を刺し殺そうとしたって噂もあったでしょ? もしかしたら本当に殺ってるかもって思ったわよ。だってこんな辛い状況で、しかもあたしたちからも嫌われてるのに。毎日笑いながら、謙虚に振る舞い続けるなんて……普通の精神じゃないわ」
「……はい」
腕を胸元で組んで、廊下の柱にもたれかかりながら蓮華は不機嫌そうに聞いてきた。
「あんたのこと、あたしずっと嫌いだったのよね」
「それは……よく知ってます」
唐突な蓮華の告白に、今更何を言い出すのか。知らないわけがないじゃないかと、穂波は思わず苦笑してしまった。
「あんたがあたしよりも、若くて綺麗だからひがんでたのは最後に認めてやるわ。でも一番嫌いだったのはその性格よ」
蓮華は穂波を人差し指で指差した。
「へらへらした作り笑い。健気ぶってるように見えてむかついたし……何より、怖かったのよ」
「!」
穂波のことを、蓮華が怖いと思っていたなんて。蓮華こそ穂波の恐怖の対象だっただけに意外な答えを耳にし、穂波の表情に戸惑いの色が浮かぶ。
「母親を刺し殺そうとしたって噂もあったでしょ? もしかしたら本当に殺ってるかもって思ったわよ。だってこんな辛い状況で、しかもあたしたちからも嫌われてるのに。毎日笑いながら、謙虚に振る舞い続けるなんて……普通の精神じゃないわ」
