序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜

「穂波。お母様にも聞いたけど、あんた……本当にこの家を出て行くわけ?」
「……はい」

 腕を胸元で組んで、廊下の柱にもたれかかりながら蓮華は不機嫌そうに聞いてきた。

「あんたのこと、あたしずっと嫌いだったのよね」
「それは……よく知ってます」

 唐突な蓮華の告白に、今更何を言い出すのか。知らないわけがないじゃないかと、穂波は思わず苦笑してしまった。

「あんたがあたしよりも、若くて綺麗だからひがんでたのは最後に認めてやるわ。でも一番嫌いだったのはその性格よ」

 蓮華は穂波を人差し指で指差した。

「へらへらした作り笑い。健気ぶってるように見えてむかついたし……何より、怖かったのよ」
「!」

 穂波のことを、蓮華が怖いと思っていたなんて。蓮華こそ穂波の恐怖の対象だっただけに意外な答えを耳にし、穂波の表情に戸惑いの色が浮かぶ。

「母親を刺し殺そうとしたって噂もあったでしょ? もしかしたら本当に殺ってるかもって思ったわよ。だってこんな辛い状況で、しかもあたしたちからも嫌われてるのに。毎日笑いながら、謙虚に振る舞い続けるなんて……普通の精神じゃないわ」