氷宮家の当主決めについて、どのように行うか聞いたことがなかった。分家の出で当主になれたからには、藤堂家と同じように本家の血筋関係なく、誰もが当主になれる機会があるのだろう。
「もとの名前の方が思い出してもらえるかもしれない。そう思い、六条椿と名乗っていたんだ。渡した名刺も昔使っていた本物だ」
昔会った時は六条……その話を聞いても変わらず思い当たる記憶がなかった。六条家の人間と出会った覚えがない。
同じく国内三大名家である氷宮や鷹泉の家との社交の機会はこれまであったが……その場で会ったなら覚えてそうだ。椿との出会いは公の場ではなく、意外な場だったのかもしれない。
「そうだったんですね。びっくりしたんです、まさか本当は氷宮家の当主だったなんて……椿さんは私を、氷宮の、よ、嫁にもらうと言いましたが」
自分で言いながら恥ずかしくなり、穂波は少し語気が震えてしまう。
「氷宮家の当主に、私みたいな藤堂のはみ出し者が嫁入りするなんてやはり難しいんじゃないでしょうか? 家の方々が反対するのでは」
「もとの名前の方が思い出してもらえるかもしれない。そう思い、六条椿と名乗っていたんだ。渡した名刺も昔使っていた本物だ」
昔会った時は六条……その話を聞いても変わらず思い当たる記憶がなかった。六条家の人間と出会った覚えがない。
同じく国内三大名家である氷宮や鷹泉の家との社交の機会はこれまであったが……その場で会ったなら覚えてそうだ。椿との出会いは公の場ではなく、意外な場だったのかもしれない。
「そうだったんですね。びっくりしたんです、まさか本当は氷宮家の当主だったなんて……椿さんは私を、氷宮の、よ、嫁にもらうと言いましたが」
自分で言いながら恥ずかしくなり、穂波は少し語気が震えてしまう。
「氷宮家の当主に、私みたいな藤堂のはみ出し者が嫁入りするなんてやはり難しいんじゃないでしょうか? 家の方々が反対するのでは」
