「もう、本当びっくりしたじゃないですかっ」
「だからごめんって! でも面白かったよ、めちゃくちゃ焦ってたじゃん」
「だって陸人さんがあんな事言うからっ…」
「あはは、でも確かに舞香ちゃんは可愛いよ!」
陸人さんはお得意の王子様スマイルで言う。
「かっ…可愛いなんて!」
「だから、変な男に引っかかっちゃ駄目だよ? 俺心配だからっ」
そう言って陸人さんはあたしの頭にポンッと手を置く。
「だっ…大丈夫ですっ!」
あたしださい…。
さっきからつまづいてばっかりだよ…。

「じゃ、もうそろそろお昼だし、戻ろっか」
「はいっ」
あたしと陸人さんが歩き出した時、あたしは少し離れたところに落ちている物に目がとまった。