次の練習の日、あたしは聞いた。
「陸人さん」
「ん? どしたの舞香ちゃん」
陸人さんは眩しい笑顔で聞き返して来る。
「陸人さんて…好きな人とか居ないんですか?」
聞いたよ! 聞いちゃったよあたし!
「好きな…人? なんでそんな事聞くの?」
不思議そうな顔をする陸人さん。
「いっいえ! 別に深い意味は無いんですっ…ただ、陸人さんってモテるから、どうなのかなぁって…」
あたしの嘘つき。
まぁ確かに気になるけどさ…今は別れた理由を知りたいんだもん。
隼人を安心させてあげたいし…。
「俺? 別にモテないし…好きな人も…」
「居るんですかっ?」
少し寂しげな顔をして言う陸人さんに、あたしはハキハキと聞く。