「え~私が担任の有吉です…一年間よろしくな!」
新しい教室に入って、HRを受けていた。
…でも、担任の先生の話も、全く耳に入らない。
なぜかというと…。

「おい、シャーペン貸せよ」
右隣から聞こえる声。
「何であたしが貸さなきゃなんないのかな?」
「…もういーよ」

何でコイツ(隼人くん)と隣の席なのー!?

同じクラスなだけならまだしも…隣の席ですか!
…まぁ同じ家に住むんだし我慢しなきゃだけど…。
コイツ、ムカつくんだもん!!

「はい、どーぞ。どうせ筆箱忘れたんでしょ?」
あたしはしぶしぶ隼人くんにシャーペンを差し出す。
隼人くんは驚いてから、シャーペンを受け取った。
「…どーも」
「いえいえ~」
あたしは皮肉っぽく「いえいえ~」と言って、まだ硬い教科書に名前を書く。

仲良くしなきゃ、陸人さんに怒られるしね。
隼人くんだって、もしかしたらいい人かもしれないし。
…【もしかしたら】だけどね?