「…はぁ……」
あたしは、近所の川辺に座っていた。
頬に当たる風が、あたしの髪をサワサワと揺らす。
ついでにあたしの分からない気持ちも揺れた。

“あの二人、昔付き合ってたんだ”
“…仲良かったのにな”
さっきから、優人さんの言葉が頭の中をぐるぐる回っている。
その度に心臓が痛くなる。
なんで…なんであたし…??

「…おまっ…何? こんなとこで」
その時、背後から聞き慣れた声がする。
「はっ…隼人? あんたこそなんで!?」
「兄貴に頼まれてコンビニにアイス買いに行ってた」
「…ふ~ん」
あたしはそっぽを向いて言う。
「ほらよ」
声の方向を見ると、隣に座った隼人がアイスを差し出していた。
「え、コレ、優人さんのじゃないの?」
「いんだよ。後で買えばいーし」
「…ありがと」
あたしはそう言って、隼人がくれたアイスを食べる。