広瀬陸人(高3)長男
優しくてしっかり者、頭良さげ。

広瀬優人(高2)次男
ホストみたいで軽そう。でもモテそう。

広瀬隼人(高1)三男
口悪くて性悪。怖そう。

広瀬海人(中3)四男
人なつっこくて子犬みたい。かわいい。

あたしの脳内ではこんなデータが出来上がっていた。
こんなキャラが濃い兄弟の中で…あたしはやってけるのかなぁ?
そう不安になっていた時、聞きなれた声がする。

「舞香っ、大丈夫? さっきからぼーっとして…」
「…どこ見てんの?」
中学からの親友、アイコとレミだった。

そういえば今は入学式の途中だったんだっけ。

アイコは明るくてハイテンションで、レミはクールビューティー(?)。
2人とも優しくて一緒にいると楽しくて、大好き。
今年も同じクラスになれたから、とても嬉しい。

「ごめんごめんっ、考え事してたっ」
「ふ~ん、そうなんだ。…あ、そういえば、居候させてもらう家、どんな感じだったの? 確か四兄弟なんだよね?」
アイコが突然、小声だけどワクワクしながら聞いてきた。
「それがさぁ…一番上の人がかっこよくて………あっ!」

ふとステージを見ると、陸人さんの姿があった。
「ん? 舞香どしたの?」
「いや…あの人、一番上の人…!!」
「えっマジぃ!? かっこいいじゃん!」
「…まぁまぁだね」
アイコとレミが楽しそうな顔で陸人さんを見る。
「でしょ? なんか王子って感じ!」
「確かにっ! …舞香、あの人狙うの?」
「えっ!? 狙うとか…そうゆうんじゃ…ないけどっ?」
あたしが苦笑いしながら否定すると、アイコとレミはニヤニヤしながら、「ふぅ~ん」と言った。
…何その反応…??
本当に、そんなんじゃないってば!
陸人さんには、憧れてるだけで…ね?


何だかんだ考えているうちに、入学式は終わった。