「もっもう! 分かってる! それぐらい!」
あたしはムキになって否定する。
「まぁ、お前と同じチームが嬉しいってワケじゃ決して無いけどな」
「はは、それはこっちも同じだから」

やっぱコレだよね、隼人は…。
ははは、一瞬でもドキッとしたあたしって、本当バカ。

「…て、あっ!!」
あたしはいきなり声をあげる。
「…っせーなぁ…声でけーんだよ。どーしたんだよ?」
うっとうしそうに耳を塞ぎながら言う隼人。
「や…何でもない」
「ふ~ん」

詩織さんのハンカチ、返すの忘れてたよ!
困ってないかなぁ??
とにかく、すぐ返しに行こう!

あたしは授業の終わりのチャイムが鳴ると同時に、教室を出て、詩織さんのクラスへ向かった。