ガラガラッ
「すいません、遅れましたっ!」
「おー…高峰、遅刻つけとくからな」
「…ふぁい…」
あーあ、遅刻増えちゃったよ…。
あたしは心の中でぼやきながら席に着く。

「お前、何してたんだよ。もう15分も過ぎてっぞ」
席に座ると、隼人が小声で話しかけてきた。
「人の事言えんの? あんただって授業サボってんじゃん」
「………それはよォ…」
隼人は言葉につまった。
あたしの勝ちだ!!

「おい、そのハンカチ何」
あたしが一人でガッツポーズを決めていると、隼人があたしの手を指差して言う。
「あ、これ…結局借りてきちゃった」
詩織さんのハンカチ、勢いで借りたまま来ちゃった。