「そいつ…あの広瀬陸人だよ! 柔道で全国レベルの!!」 えっ…はっ…?? 「…おい、それマジかよ!?」 さっきまで偉そうな顔をしていた男が、急に焦り出す。 「僕も結構有名なんだね」 陸人さんがニッコリ微笑む。 「おっおい! 退くぞっ!」 男は踵をかえし、大勢の男と共に去っていった。 「…………」 あたしは突然の出来事に驚いて、声も出なかった。 ていうか、陸人さん…そんなに強かったんだ!!