「あ、隼人やっと降りてきた」 「…寝てたんだよ」 俺を不審そうに見る舞香から目を逸らす。 「隼人ー、せっかく舞香ちゃんが手料理作ってくれたのに! 俺のためにだけど♪」 ニコニコしながら言う兄貴に、やたら腹が立った。 多大な努力をもって、苛立ちを抑える。 「そいや隼人」 「…?」 兄貴がまた俺に話しかけてきた。 ゆっくりと兄貴に視線を向ける。 「今度の日曜日、空いてる?」 「あ?」 「いや、舞香ちゃんとデート行くんだけどさ、隼人も来る?」