「あ、あぁ…これ?」 あたしの視線に気が付いた優人さんが、話し始める。 「これ、走ってたら水たまりに足突っ込んじゃったー」 「え…か、格好いい服なのにごめんなさいっ!!」 優人さん、走って来てくれたんだ。 水に濡れるのに、気にしないで…。 「謝らないでよ、こんなの洗濯すれば元通りだし!」 「で、でも…でもですねっ」 必死なあたしを見て、優人さんは困ったようにほほ笑んだ。 「じゃあさ…」 優人さんが少し考えた後に、言葉を紡ぎだす。