キケンな四兄弟


「…ったく舞香ちゃんてば、絡まれるの二回目じゃん! その可愛さは罪だよね~」

「ゆ、優人さん…」

「ん、お礼とかは後でいいよ! とりあえず立ってよ。ほら、手」


そう言って優人さんはあたしに手を差し出した。

あたしはその手を取ると、立ち上がって土がついた服を手で払う。


「あの…ありがとうございます」


あたしは優人さんに向かって頭を下げた。

優人さんは優しく、ニッコリと笑った。


「いいから…、頭上げて」

「はい…」


頭を上げる途中、優人さんのズボンの裾が濡れているのに気づく。

雨上がりだから…水たまりでも踏んだのかな。