「…ったく舞香ちゃんてば、絡まれるの二回目じゃん! その可愛さは罪だよね~」
「ゆ、優人さん…」
「ん、お礼とかは後でいいよ! とりあえず立ってよ。ほら、手」
そう言って優人さんはあたしに手を差し出した。
あたしはその手を取ると、立ち上がって土がついた服を手で払う。
「あの…ありがとうございます」
あたしは優人さんに向かって頭を下げた。
優人さんは優しく、ニッコリと笑った。
「いいから…、頭上げて」
「はい…」
頭を上げる途中、優人さんのズボンの裾が濡れているのに気づく。
雨上がりだから…水たまりでも踏んだのかな。

