「あー・・・それとも怒ってる? 俺がアンタにキスしたこと」 そう言いながら九条はニヤリと笑う。 その顔が、あたしの神経を掻き立てる。 「・・・怒ってるに決まってるでしょ!? 大体何? アンタ! 生徒の前では猫かぶって・・・」 あたしは息を荒げて、九条を睨む。 言いたいこと言っちゃったよ・・・。 「猫なんかかぶってない。俺はただ、ああしてた方が人当たりいいかなと思って」 イラッ・・・。 イヤミっぽい余裕を感じさせる笑みに、あたしは無性にイラつく。