ザッザッザッ
あたしは無視を続けて、早足で歩く。

ガシッ
その時、腕を強く掴まれる。

「わっ!?」

あたしはその反動で振り向く。
顔を上げると、怒りに満ちたような奴・・・九条の顔。

「・・・おい、何で無視すんだ」

お前が嫌いだからだよ・・・とは言えず、苦笑いする。
すると九条も呆れたような顔をした。

・・・さっきの純粋そうな顔とは打って変わって、すごく憎たらしーい顔。

「・・・ったく、俺があんな困ってたっつぅのに、助けてくれてもいいじゃねぇか」

困ってたって、女子の皆さんに囲まれてたこと??
なんであたしが助けないといけないのよ!