「兄貴が何も考えねーであんなことすっから・・・あぁ見えて兄貴、モテるからさ? ・・・その、お前に、迷惑かかっちまって」

今までに見たことが無いような隼人の申し訳なさそうな顔。

何だかんだ、心配してくれてるよね?
優人さんのことも、あたしのこと・・・も??

「ま、一緒に住んでんだし、気ぐらい遣ってもバチは当たんねーかなって・・・・・・べ、別にお前を心配してるワケじゃねぇけどよ!」

・・・あ、やっぱり前言撤回。
焦ったような隼人の顔。
見ていると面白い。

「・・・けど、舞香が兄貴のせいで周りからうとまれたりすんの、なんか・・・嫌だから」

隼人・・・??

「だぁあぁ!? 自分でも言ってる意味分かんねーよ! ・・・ま、もうちょっと自分の事も考えていいんだっつー話! 分かったらもう、帰れ! 一限目チコクすっぞ」

「あ、うんっ」

あたしに背を向けてだるそうに歩く隼人を、追いかけていく。