キケンな四兄弟


「はぁ、はぁ…つ、つっかれたー!!」
学校に着くと、まだ登校完了の時間まで三十分以上あった。

ちょ、ちょっと早く来すぎちゃったかな…。
あたし、意外と走るの早いのかも!?
…ってことは無いか。

「誰もまだ来てないし…どうすっかなぁ~」
シーンとした教室で独り言を呟きながら、窓からグラウンドを見下ろす。

『ファイッオー!!』
『ファーストー!!』

真っ白なユニフォームを日に照らし、野球部達が叫んでいる。
野球ボールが目にも止まらぬ速さで部員のグローブからグローブへ飛んで行く。
みなさん、あんな小さい球をお上手ですね…。

「はぁ~…暇だ。暇~…」
野球のルールもよく知らないあたしは、やっぱり暇だ。
窓から離れて、自分の机にとりあえず腰かけた。